ホーム > 一次資料アーカイブ（Primary Sources) > 20世紀政治的急進主義シリーズ
Political Extremism and Radicalism
- 2022年度 米CODiE Awards 最優秀図書館レファレンス・教育データベース賞受賞
- 2022年度 米Modern Library Awards プラチナ賞受賞
20世紀末に冷戦が終結したとき、世界はリベラルな民主主義の勝利を祝福しました。同じ頃、インターネットの民間利用が始まり、双方向のコミュニケーションと自由に発信できる情報空間の登場によって人々の政治への関心が高まることが期待されました。20世紀を席巻した極端なイデオロギーは葬り去られ、21世紀にはリベラルな民主主義のコンセンサスの下で世界各国が環境、貿易、金融、科学技術といったグローバルな問題に対処する時代が到来するはずでした。
しかし、四半世紀後の現在の政治状況を見ると、かつての予想は大きく裏切られています。先進諸国では中間層が弱体化、伝統的な保守・リベラル政党が勢力を弱める一方で、排外的な主張を掲げる右翼・極右政党が勢力を伸長し、難民の流入を前に、一度崩壊した壁が再建されようとしています。インターネットはデマが拡散され、見たい情報しか見ない蛸壺空間と化す一方で、政治団体にとっては人々を動員する強力なツールとして機能しています。葬り去られたはずの20世紀の政治イデオロギーが新たなテクノロジーを携えて復活しているような状況です。
20世紀政治的急進主義シリーズはこうした現状を踏まえ、政治的な右派、左派を問わず、急進的で極端な政治的主張を掲げた政党・団体・人物に光を当てようとするものです。収録資料の多くは、反急進主義団体・活動家・学術機関・政府機関などにより記録・研究・監視目的で収集された、様々な主張や立場の過激主義に関する出版物、パンフレット、ビラ、オーラルヒストリー、政府文書等で、過激主義の知られざるルーツを探る貴重な研究資料となります。
《シリーズ編集諮問委員》
- ウィリアム・アルコーン（William Allchorn アメリカン・インターナショナル大学ロンドン 政治・国際関係 兼任准教授）
- ポール・ジャクソン（Paul Jackson ノーサンプトン大学教授・同サーチライト・アーカイブ キュレータ）
- ダニエル・ジョーンズ（Daniel Jones ノーサンプトン大学サーチライト・アーカイブ アーキビスト・助教）
- ブライアン・ヒューズ（Brian Hughes アメリカン大学 分極化・急進主義研究イノベーション・ラボ PERIL 共同所長・准教授）
- カート・ブラドック（Kurt Braddock アメリカン大学コミュニケーション学部 准教授）
【最新リリース】
第３集：世界の共産主義・社会主義運動
Part III: Global Communist and Socialist Movements
シリーズ第３集では、19世紀から20世紀にいたる世界の共産主義運動と社会主義運動を牽引した団体と個人に関する約86万ページの文書群を収録します。「急進雑誌コレクション」「ペリング・コレクション」「アル・リチャードソン／ジム・ヒギンズ文書集」「アラン・クリントン文書集」「ウィル・ファンシー文書集」「スティーブン・グレイアム・コレクション」「バラージュ・ナジ文書集」「バルク・ハーソン文書集」「南アフリカ労働者党資料集」「チリとボリビアの政治パンフレット集」（以上、ロンドン大学図書館）、「独立労働党アーカイブ」「英国社会主義・労働運動パンフレット集」（以上、独立労働パブリケーションズ（ILP））、「反社会主義雑誌コレクション」（大英図書館）、「アメリカ旧左翼コレクション」（カリフォルニア大学デイビス校）、「ウォルター・リップマン文書集」「ローズ・パスター・ストークス文書集」「アンナ・ストルンスキー・ワーリング文書集」（以上、イェール大学図書館）、「アルジャー・ヒス弁護側資料」（ハーバード・ロー・スクール）、「アルジャー・ヒス文書集」（ニューヨーク大学タミネント図書館）、「アメリカ在郷軍人会関係文書集」（FBI図書館）等、英米を中心に南アフリカ、チリ、ボリビア、ハンガリー等、世界各国の運動をカバーします。
※第３集の収録コレクションは最終的なものではありません。変更の可能性があります。
◆注意◆
本シリーズに収録されている文献には、人種、民族、宗教、ジェンダー、セクシュアリティなどに関して、多くの人々に許容しがたい偏狭な見識や歪曲された主張が含まれています。これらの文献は学術研究や教育目的で提供されるもので、弊社は一切そうした主張に与するものではありません。
