Weapons of Mass Destruction and Nonproliferation
本コレクションは米国国立公文書館より、核兵器や生物化学兵器等の大量破壊兵器、大量破壊兵器を開発するための物質や技術、大量破壊兵器を運搬するミサイル、並びに大量破壊兵器と開発物質・技術とミサイルの拡散を防止する不拡散体制に関する2000年から2010年までの論文・報告書169点を提供するものです。
国際的な核不拡散体制は米ロ英仏中の核保有国以外への核兵器の拡散を防止する目的で1970年に発行した核不拡散条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons, NPT)の下で維持されてきました。しかし、1994年に条約締結国の北朝鮮の核兵器開発疑惑が浮上し、1998年に条約非締結国のインドとパキスタンが核実験を実施、2002年には条約締結国のイランにおけるウラン濃縮施設建設疑惑が浮上し、2003年には北朝鮮が核不拡散条約から脱退するなど、2000年前後に核不拡散体制を揺るがす事態が相次ぎました。このような状況の中で、世界では大量破壊兵器や不拡散体制に関する多くの論文や報告書が発表されるようになりました。
本コレクションは、米陸軍大学(U.S. Army War College)や大量破壊兵器委員会(Weapons of Mass Destruction Commission, WMDC)、大量破壊兵器研究センター(Center for the Study of Weapons of Mass Destruction)、米海軍国家安全保障研究所(USAF Institute for National Security Studies)、戦略研究所(Strategic Studies Institute)、不拡散政策教育センター(Nonproliferation Policy Education Center)等の研究機関の刊行物、海軍大学院学校(Naval Postgraduate School)に提出された学位論文、米国の軍人や議員の論文等、169篇の論文や報告書を収録します。刊行時期は核不拡散体制を揺るがす核実験や核兵器開発疑惑により、大量破壊兵器や不拡散を巡る諸問題がホットなテーマとなった2000年から2010年までの10年間です。
収録論文は国際的な大量破壊兵器削減政策の起源と歴史、輸出管理や拡散に対する安全保障構想(Proliferation Security Initiative, PSI)等の不拡散政策、大量破壊兵器によるテロリズムの心理学等、多様な問題が論じられています。地域的には南アジア(インド、パキスタン)、北朝鮮、イラン、中国、ロシアが取り上げられています。
(マイクロ版タイトル:Studies in Global Crisis: Weapons of Mass Destruction and Nonproliferation)
《収録文書の例》
- スティーヴン・C・ムーアズ『全国大量破壊兵器戦略:中間軌道修正の時』(2000)
- フレッド・B・ストス『どの程度米国の核戦力は大量破壊兵器を有するならず者国家に対する有益なオプションとなり得るか?』(2000)
- 『大量破壊兵器:旧ソ連の脅威を削減する米国の試み』(2000)
- ナサニエル・H・スレッジ・ジュニア『破られた約束:米国、中国、核不拡散』(2000)
- 米国国防長官府『拡散:脅威と反応』(2000)
- マーティン・J・ヴォイティシアク『破局を防止する:南アジアにおける核兵器管理のための米国の政策オプション』(2001)
- マシュー・G・ガーゲル『南アジアにおける偶発的核戦争の脅威』(2001)
- ロバート・E・レーバイン『南アジアにおける核拡散を管理する:危険な核貯蔵庫支援政策の擁護』(2001)
- ウィリアム・T・エリアソン『悪霊の蔓延を止める:大量兵器の拡散を退ける』(2001)
- ドナルド・G・マクミリアン『核兵器拡散管理政策』(2001)
- コリ・N・シェイク、ジュディス・S・ヤッフェ『核武装国家イランの戦略的含意』(2001)
- ギュレイ・アル『大量破壊兵器の脅威に対するトルコの対応』(2001)
- ジェイムズ・ミロ・ミニック『北朝鮮の非核化:1994年の合意枠組-北京から現在、そして代替オプション』(2002)
- ヘンリー・D・ソコルスキ、トマス・リーセイガー『ナン・ルーガー計画を超えて:ロシアによる新しい核拡散脅威を抑制する』(2002)
- シャーリー・A・カン『中国による大量破壊兵器とミサイルの拡散:現在の政策の争点』(2002)
- ゲーリー・L・ジョーンズ『核不拡散:米国の核密輸対策』(2002)
- スティーヴン・R・マクドゥーエル『サウジアラビアは核の脅威か』(2003)
- クリストファー・ヘンゼル『イラン:多国間による限定的政策を進める時』(2003)
- ヘンリー・ソコルスキ、パトリック・クローソン『イランの核の野心を抑止する』(2004)
- ジェーン・C・ローア『米国の弾道ミサイル防衛システム配置が与える国際的影響を緩和する』(2004)
- アガ・M・U・ファルーク『南アジアにおける核抑止:戦略的失敗か、地域的安定の始まりか』(2004)
- チャールズ・C・マイヤー『ナショナリズムの神話に対する安全保障:なぜイランは核兵器を欲するのか』(2004)
- チャールズ・デュエルファー『イラクの大量破壊兵器に関する中央情報局長官特別顧問包括報告』(2004)
- スコット・A・ジョーンズ『アジア不拡散輸出管理に関する現在と将来の課題:地域の反応』(2004)
- ヘンリー・D・ソコルスキ『狂騒:核相互確証破壊、その起源と実情』(2004)
- レベッカ・K・C・ハースマン『敵の大量破壊兵器を根絶する:問題の核心は何か』(2004)
- ジョン・H・ピアソン『世界はイランの核保有に耐えうるか』(2005)
- ジミー・D・デイビス『イランの核戦略のオプションと米国の外交政策の含意』(2005)
- ダニエル・J・ギャラハー『米国のイラン政策は変更すべきか』(2005)
- Yeon Bong Jung『浮足立った戦略:北朝鮮の核問題に対する米国の反応』(2005)
- 『大量破壊兵器に関する米国の情報能力に関する委員会報告』(2005)
- デヴィッド・J・ビショップ『北朝鮮の核兵器計画を解体する』(2005)
- マイケル・アイゼンシュタット『イラクとその後:大量破壊兵器に対抗するための正しい教訓』(2005)
- リチャード・G・ルガー『拡散の脅威と反応に関するルガー調査』(2005)
- ルイス・A・ダン『アルカイーダの核兵器使用を抑止しうるか』(2005)
- マイケル・L・ファーマー『なぜイランは核を拡散するのか』(2005)
- ヘンリー・ソコルスキ、パトリック・クローソン『核保有能力をもつイランに備える』(2005)
- ミルトン・ライテンバーグ『生物兵器とバイオテロリズムの脅威を評価する』(2005)
- 大量破壊兵器委員会『恐怖の兵器:核兵器、生物兵器、化学兵器から世界を解放する』(2006)
- W・セス・カラス『大量破壊兵器を定義する』(2006)
- マイケル・O・ウィーラー『安全保障の国際交渉:核兵器に関するロシアとの交渉からの教訓』(2006)
- ピーター・N・マドソン『空は落ちてくるわけではない:イランの核保有に対する地域の反応』(2006)
- ハーベイ・L・クロケット『中国を利用してアジアにおける米国の負担を軽減することは可能か』(2006)
- マーク・R・シュルマン『平和と安全保障の新パラダイムとしての拡散に対する安全保障構想』(2006)
- デイナ・E・ストラックマン『拡散に対する安全保障構想:協力プロセスか命令と管理の悪夢か』(2006)
- ヘンリー・ソコルスキ『次の戦略兵器の脅威を飼いならす』(2006)
- ジェフリー・ラーセン『核の基準線:ポスト冷戦期の米国の核政策』(2006)
- クリスティーナ・M・ストーン『大量破壊兵器に対抗する上での空軍情報の役割』(2006)
- シェリフ・D・ズハー『イラン、イラク、合衆国:新しい三国関係が宗派主義と核の脅威に与える影響』(2006)
- ロバート・A・フリードマン『ロシア、イラン、核問題:プーチンの記録』(2006)
- Yong-Chool Ha、Beom-Shik Shin『ロシアの不拡散政策と朝鮮半島』(2006)
- ルイス・A・ダン、グレゴリー・ジャイルズ他『米国の核政策と姿勢』(2006)
- アンナ・A・ザハルチェンコ『テロリズムと大量破壊兵器に対抗するEUと米国の戦略:比較研究』(2007)
- スティーヴン・J・ブラント『ロソボロネクスポルト:武器売買とロシア防衛産業の構造』(2007)
- ジョン・カリフェイ『米国のイラン政策:誤算を回避する』(2007)
- ウィリアム・K・ミラー『米国の対イラン核拡散政策の検証』(2007)
- カート・クライツァー『マハディとイランの核の脅威』(2007)
- ポール・I・バーンスタイン他『核の将来展望』(2007)
- アンドリュー・スコベル、ジョン・M・サンフォード『北朝鮮の軍事脅威:ピョンヤンの通常戦力、大量破壊兵器、弾道ミサイル』(2007)
- ラリー・M・ウォーツェル『中国の核戦力:作戦、訓練、ドクトリン、命令、管理、キャンペーン計画』(2007)
- ダニエル・G・ケイス『敵と伴走する:拡散に対する安全保障構想への中国の統合』(2007)
- フレッド・C・ストーン『CBRN事案に対する強迫的反応:分析と解決』(2007)
- ブレイン・S・ビターマン『ロシアの軍民両用の核輸出を評価する』(2007)
- ジェイムズ・グッドバイ他『核探知システムを配備する:核テロリズムに対抗するための戦略案』(2007)
- ジェフリー・T・バトラー『米国のミサイル防衛の将来に対する政治、技術、アジアの影響』(2007)
- ケヴィン・J・モイヤー『拡散対抗策における情報共有』(2007)
- ナタリア・P・ロマシュキナ『新しい国際関係システムにおける不安定要因としての北朝鮮とイランの核計画』(2007)
- シェリー・W・ワングホワイト『米印核協定に対する中国の反応:米国にとっての含意』(2007)
- Erkan Arslan『イランの核保有のトルコの国防に対する含意』(2007)
- ジェイソン・J・ボック『不拡散活動における協力促進』(2007)
- ヘンリー・D・ソコルスキ『パキスタンの核の将来:戦争を超える不安』(2008)
- ラリー・A・ニキシュ『北朝鮮の核兵器:開発と外交』(2008)
- ダニエル・A・ピンクストン『北朝鮮弾道ミサイル計画』(2008)
- アンソニー・R・スキナー『大量破壊兵器への対抗:それは本当に優先事項であるか?』(2008)
- ジョナサン・メダリア『包括的核実験禁止条約:争点と討議』(2008)
- トマス・J・カルマン『21世紀の探知技術:大量破壊核兵器の場合』(2008)
- エイミー・F・ウォルフ『不拡散と脅威軽減の支援:旧ソ連における米国の計画』(2008)
- ポール・D・ブラウン『米国の核抑止政策:我々は正しく理解しているか?』(2008)
- ポール・I・バーンスタイン『大量破壊兵器に対抗するための国際パートナーシップ』(2008)
- グレン・エリック・ウィット『北朝鮮の核の野心を理解し、管理する』(2008)
- ジョナサン・P・ローニー『国防脅威削減庁と大量破壊兵器の脅威の軽減』(2008)
- 『危機に立つ世界:大量破壊兵器、拡散、テロリズム防止委員会報告』(2008)
- 『核発見法:アルバート・ウォルステッター、ロバータ・ウォルステッター著述選集』(2009)
- シャーリー・A・カン『中国と大量破壊兵器とミサイルの拡散:政策の問題』(2009)
- ゴードン・W・ウェイナンド『イランと合衆国:戦略的パートナーシップの再構築』(2009)
- エイミー・ウォルフ他『軍縮と不拡散:条約と協定の目録』(2009)
- メアリー・べス・ニキティン『北朝鮮の核兵器』(2009)
- エドワード・E・ヒルドレス『米国のイラン政策:イランの核保有は差し迫っているか?』(2009)
- スティーヴン・J・ブランク『ロシアと軍縮:オバマ政権に好機はあるか?』(2009)
- パトリック・R・テレル『大量破壊兵器に対抗する戦略を更新する』(2009)
- スコット・A・イノルド『ならず者国家と抑止戦略』(2009)
- カーティス・G・ラーソン『拡散に対する安全保障構想:作戦指揮官にとっての目標達成手段』(2009)
- 大量破壊兵器研究センター『我々は備えができているか?:米国の安全保障を変化する可能性がある大量破壊兵器の4つの危機』(2009)
- リチャード・L・カグラー『イランの核兵器に対抗する拡大抑止体制:争点とオプション』(2009)
- メアリー・べス・ニキティン『拡散に対する安全保障構想』(2009)
- エイミー・F・ウォルフ『START以後の戦略的軍縮:争点とオプション』(2009)
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関連分野
- 政治学・外交研究
- 20世紀研究
- 現代グローバリゼーション史